そして、放課後。


HR終了後、荷物をまとめていたら、ものすごい勢いで悠莉が駆け寄ってくる。



「ほら、みおも早く準備して.....!」


「ええと、どしたの悠莉?なんかあったっけ....?」


「ばか!放課後明けといてって言ったでしょ」



むっと頬を膨らませる悠莉に、クラスの男子数名が頬を染める。



.....さ、さすがです悠莉さん....って。



「ゆ、ゆうりさん?なぜそんなに近づいて....?」


「んん、ほら。動かないで」


ぐっと両頬を持ち上げられて、顎先に手を添えられる。


悠莉は、お気に入りらしいパステルラベンダーのポーチをがさごそ。


「ふふ、ぜったい未桜に似合うとおもうの~」


にこにこ笑いながらリップスティックの先をくるくると回す。


「はい、ちょっと唇んーってして」


「ん、んー.....?」



言われた通りに、唇をつきだすと。


唇に感じる、ひやっとした感触。