「え、皐月くん、もしかして熱あるの?」
「いや、……大丈夫だから」
それだけ言い残すと家の中に消えていく皐月くん。静かに扉が閉まった。皐月くんは、あまり私を頼ってはくれない。
大人しく戻ろうと自分の家の扉を閉めようとしたところだった。バタッと、皐月くんの家から物凄い音が聞こえてきた。
「え、皐月くん!?」
あまりのすごい音に慌てて皐月くんの家の扉に手を掛ける。この状況で遠慮なんかしていられなくて、ドアノブを回せば開いた扉。
「え、皐月くん大丈夫!?皐月くん!皐月くん!」
「……はぁ、はぁ、」
玄関で苦しそうに倒れている皐月くん。手を伸ばして触れてみれば汗でぐっしょりで物凄く熱くて。
「皐月くん、しっかりして!」
「はぁ、はぁ……」
「皐月くん!」
苦しそうな皐月くんを抱えとりあえず寝室を目指す。体格差のある皐月くんを運ぶだけでも一苦労だけど何度呼びかけても皐月くんの応答はなくて、私が助けなければと思った。
引きずりながら皐月くんを寝室に運び、スーツのジャケットを脱がしてベッドに寝かせた。



