オトナだから愛せない





《ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン》




容赦なく鳴らされるインターフォンの音で目を覚ます。
一体、誰だろう。てか、いま何時?












そう思ってスマホを手にすれば大量の不在着信と、メッセージで画面が埋め尽くされていた。そのどれもが皐月くんから。ぼんやりなんで、心配なんかしてるんだろう。と思った。




《ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン》



「あ、やばい」



皐月くんに返信をしなければと思ったが鳴っているインターフォンを放置していた私は急いで玄関へと向かう。




《ピンポーン、ピンポーン》

「いま、開けまーす」




あまりにしつこく鳴らしてくるものだからドア窓を確認することなくガチャリと玄関の扉を開けた。



と、




「え、」

「……」




ドアノブを回した私の手首は掴まれ、バランスを崩しあっさりと訪問者の腕の中に捕らわれる。いったいなにごとで、しょうか。




「……皐月、くん?」

「……」




抱き潰されるんじゃないだろうか、というほどにぎゅっと腕を回して離してくれないその人は私の大好きな人で。


でも現実、先ほどまで私じゃない人と一緒にいた人。ふたりの姿を思い出してまた泣きそうになった。