「もしもし、」
《水着、》
「え?」
《水着、買ったってどんなの?》
「えーと、オレンジ色のレースのフリルがついたビキニ」
開口一番のまさかの水着発言にこれはもしや、皐月くんが私の水着を見たがっているのでは?と、少々、いや、だいぶ自意識過剰な思考になった私の頭の中。
《海、却下》
「じゃあ、プール!」
《それも却下》
「えー、なんで?水着可愛いよ!皐月くんに見てほしくてせっかく買ったんだよ!」
《じゃあ、今から水着着て会いに来いよ》
「最低だ」
《だって俺に見せたいんだろ》
「ここで見せるのは違うの!だから海に行こうって誘ってるじゃん!」
《じゃあ、お風呂に水溜めてプールするか》
「なんで、そんなに行きたくないの。せっかく水着可愛いの買ったのに……」
《(だから、だろ……)》
「皐月くんは日焼けするのが嫌なの?」
《胡桃は何にも分かってない》
「え、なにを?」
《(海なんて野郎がウロウロしてるところで水着なんか、そんな下着姿みたいなエロい妄想の餌食になる格好させられるか、)》
「ねぇ、皐月くん聞いてる?」
《(そんな可愛いの、俺だけに見せればいいんだよ)》
そのあと皐月くんに猛烈に説得されて次の日は水族館に行くことになった。
水着の出番はまだ先になりそうだ。




