オトナだから愛せない





「ねぇ、じゃあ、皐月くんの傘に入れてもらうのはいいの?」

「……」

「ねぇ、皐月くん?」

「あーもう、うるさい、自分の傘を自分でさして帰ってこい!」

「でも、私が忘れてどうしてもない時は?ねぇ、連絡しろってさっき皐月くん言ったじゃん!」

「そもそも、忘れるなよ折り畳み傘持ち歩くんだろ。あと、置き傘しろ」

「いいもん、じゃあずぶ濡れで帰ってくるもん」

「バカ、お前そんなことしたら制服透けるだろ!」




じっと、皐月くんを睨んでみる。すると、その倍の凄みを含んだ睨みを返された。彼に私が敵うわけもない。




「……その時は、俺が迎えに行くまで学校で待ってろ。俺が行けない時は女の友達と一緒に帰って来い」

「なんか言ってること、むちゃくちゃ」

「(意地でも仕事切り上げて迎えに行くけど)」

「でも、皐月くんが迎えに来てくれるの嬉しいです」

「(可愛い)」

「でもお仕事忙しい時は本当に無理しないでね。私ちゃんと帰るから」

「分かってるよ。それよりもう帰るぞ」

「はーい」

「(もうなにがなんでも迎えに行こう)」