オトナだから愛せない




「バカ」

「え、」

「帰るぞ」

「え、ちょ、皐月くん?」




顔を合わせた瞬間、バカと言われいま開けた自動ドアを再度潜り皐月くんはコンビニの外に出て行ってしまう。



ぽかんと、なにが起きているのかついて行けず、一瞬その場でフリーズした。



あれ、私を迎えに来てくれたんだよね……?



皐月くんの背中を追い自動ドアを開ければ紺色に白の細いストライプの入った傘を広げた皐月くんが待ってくれていた。




「早くしろ」

「うん、ありがとう」




なんだかんだ待ってくれていた皐月くんにお礼を言い、皐月くんの傘の中にお邪魔する。



杉野くんの持っていた折り畳み傘より大きなその傘は、すっぽり私と皐月くんの肩を濡らすことなく私たちを雨から守ってくれた。




「スマホ、ちゃんと見ろ」

「あ、ごめんなさい。鞄に入れっぱなしにしてて」




皐月くんを追うように傘をさしてくれる皐月くんの少し後ろをついて行けば「早くしろバカ」と、肩を抱かれ引き寄せられる。