オトナだから愛せない




「ごめんね、こんなところまであそこのコンビニまでで大丈夫」

「いいよ、家まで送るよ」

「ううん、大丈夫。コンビニで買いたいものもあるし」

「そっか、じゃあ」

「(万が一、家まで送ってもらって表札を見られでもしたら大変だ)」




送るという杉野くんの優しさを、満面の笑みでかわしコンビニに駆ける。



ひとり分空いた傘を真っ直ぐにさした杉野くんの肩はすっぽりと傘の中に収まっていて、やっぱり申し訳ない気持ちになった。




「ごめんね、本当に私のせいで濡れちゃって」

「全然」

「じゃあ、また明日学校で」

「うん、ありがとう」




杉野くんの背中を見送り湿気のない冷房の効いたコンビニの中に入る。ふらりとお菓子の並ぶ棚の前で足を止めた。



と、そこでそういえばと、鞄の中に入れっぱなしにしていたスマホを取り出す。