「雨、凄いね」
「こんな中、走って帰ってたら大変だよ。よかったよ偶然俺があそこに居合わせて」
「本当に、ありがとう」
「いえいえ」
タレ目をさらに、とろんと下げて笑う杉野くんの肩をちらりと見れば傘からはみ出した左肩がびしょびしょになっていた。
「杉野くん、ごめん!もっとそっちに傘傾けて」
「え、どうしたの急に」
「だって肩、濡れてる」
「あぁ、いいよこんなの。それより胡桃は濡れてない?大丈夫?」
自分が濡れているのに私の心配をしてくれる杉野くん。自分の右肩を確認すれば傾けられた傘によって私の肩は雨から守られていた。
「ね、ねぇ、本当に私より杉野くんが」
「いやいや、女の子濡らす訳にいかないし。てか胡桃が濡れてないなら構わないよ」
同じ目線の杉野くんが狭い傘の中でにっこりと優しく笑う。なんて出来た高校生なのでしょうか。女子がきゅんきゅんするツボをしっかり押さえている杉野くんは絶対モテるな。



