
けれど、無惨にも胡桃からの返信によってそれは阻止される。
一歩遅かった。困惑の色が見える胡桃の返信に俺は、酔ったフリという姑息な手段を続行せざるを得なくなった。

メッセージを送り胡桃の家の前で足を止めた。
ふーっとひと息吐き出して、インターフォンを鳴らす。
胡桃に会ったらどんな顔をすればいいんだろうか。そもそも酔ってないのに酔ったフリをするだけの演技力が……。フリをしててバレたら、それがいちばん居た堪れない。
でもここまできたら貫き通すしかない。しかし俺の決意とは裏腹になかなか出てこない胡桃。絶対、本当に俺かどうか疑ってるやつだ。

応答なし。はい、めずらしく甘えてみれば無視です。って、普段会いたいなんて言わない俺がいきなり言ったから、自業自得か。
仕方なく電話をしてみれば、5コール目でやっと機械越しに胡桃の声が聞こえた。



