オトナだから愛せない









《ピンポーン》



再度、皐月くんから送られてきたメッセージに、開けろと催促する音。



ソファの上で無視を決め込んでいればブーッ、ブーッ、と、私のスマホは着信を知らせた。











「さつき、くん……」



画面に表示されているのは皐月くんの名前。
電話に出て、もし皐月くんじゃなかったら速攻で切ってやる。そう心に決めて、スマホを耳に当てた。




「……もしもし、」

《胡桃、早く玄関のドア開けて》

「さつき、くん……?」

《うん、だからさっきもそう言ったよね。なに、俺のこと無視してるの?》

「いえ、断じて!」




耳元で聞こえてきたのは、なんだかいつもよりちょっぴり優しい口調の皐月くんの低めの声音。



スマホを耳に当てながら、ソファから飛び降りてパタパタと玄関へかける。



そーっと扉を開けた先には少し頬を赤らめたスーツ姿の皐月くんが私と同じようにスマホを耳に当てながら立っていた。



そんなに頬を赤らめて、なにを照れているのですか?