真っ暗になった部屋の中。目が慣れていないせいでさきほどまでいた皐月くんがどこにいるのかも分からない。雷の音も相まってこの暗闇が怖い。
と、それを察知したかのように、するりと温かい体温が私の手を包んだ。
「これで怖くないだろ」
「うん」
それがなんの温かさなのか私はすぐに分かった。
ぎゅっとそれをーー皐月くんの手を引き寄せて私は皐月くんの腕を抱きしめながらしばらくののち、眠りに落ちた。
「(いま、手出したら俺、嫌われんだろうな)」
「……ん、」
「(どんな拷問だよ。我慢しろ俺)」
「……んーん……すー、すー、」
ふと、目が覚めると時刻はまだ明け方の4時で、座ったまま私のベッドにうな垂れるように上半身だけを預けた皐月くんがスヤスヤと眠っていた。
「私が寝たら、帰るって言ってたのに」
「……」
「今日もお仕事なのに、ごめんね、ありがとう」
皐月くんの肩に毛布をかけて、再び私は眠りについた。皐月くんの手をぎゅっと握りしめながら。




