オトナだから愛せない





「胡桃どうしたのー?帰るよ?」

「ごめん秋ちゃん、ちょっとだけ待っててもらえる?」

「じゃあ、門のところで待ってるねー!」




秋ちゃんたちに断りを入れ、杉野くんに「どうしたの?」と問いかければ真っ赤に染まった杉野くんの頬。




「いや、あの、その……本当はずっと言いたかったんだけど、なかなか言えなくて、でも今日言わなかったら絶対、俺後悔するから……」

「……?」

「あのさ、胡桃、俺……」




じっと、杉野くんの瞳は私を写して動かない。緊張したその表情に思わず私まで緊張して、ぎゅっと手に力が入った。




「俺、お前のことがまだ……」




「くるみっーーー!! 胡桃!胡桃!胡桃!」

「え、」




と、そんな緊張感をぶち壊したのはさきほど門で待っていると言って、歩いて行った秋ちゃん。



大声で私の名前を呼びなら勢いよくこちらに駆けてくるものだから、その場にいた全ての人たちの視線がこちらに向いた。あの、秋ちゃん。最後の最後でものすごく恥ずかしいのだけれど……。



そんなこと気にしてる場合じゃない!と表情で訴えてくる秋ちゃんに「とりあえず早く!!」と理解をしていない私は急かされる。




「え、ちょっと、秋ちゃんどうしたの!?」

「いやだから、胡桃のことをね!!」



とりあえず私は秋ちゃんのそのテンションについていけてないのだけれど。



何事かと問いかければ「胡桃のこと探してるの!」と、再び訳の分からない言葉を発したのち、秋ちゃんは正門の方を指さした。



え、また、探されてるの私……?なんて思いながら秋ちゃんの指先の方へ向く。