オトナだから愛せない




皐月くんはいったいなにをしに来たのでしょうか。



コンコンッ、とノックの音が聞こえ「はい」と答えると「開けるぞ」という言葉と共に開かれた私の部屋。



なんの変哲も無い黒のスエットを細身の長身で着こなした皐月くんは頭にスポーツタオルを乗せて雨で濡れた髪を拭きながら部屋に入ってきた。



そんなんじゃ本当に風邪をひいてしまう。けれど、私がこれ以上なにを言ったところで「うるさい」「バカ」この二刀流でバッサバッサ切り捨てられ、HPがなくなってしまうので黙っておくことにした。



胡桃は、黙るを使った。黙った胡桃に皐月は攻撃をすることができない。



皐月くんはベッドの横、ラグマットの上に腰を下ろすと少しだけ見上げる形でじっと私を見つめた。いったいこの状況は何事でしょうか?




「胡桃、なんでこんな嘘ついた?」

「え、」











そう言って皐月くんが私に見せてきたのは先程の皐月くんと私のメッセージのやりとりだった。




「雷、怖いんだろ」

「いや、でも寝ちゃえば分からないし」

「……」

「大丈夫だよ、本当に」

「震えてるのに?」

「……あ、」




ばっ、と布団を掴む手を隠した。
皐月くんの用事って、