オトナだから愛せない





その後もバカみたいに写真を撮ったり、懐かしい思い出話に花を咲かせたり、卒業アルバムに寄せ書きをし合ったり、ホームルームが終わってからすでに2時間が経とうとしていた。



盛り上がっていたのも束の間。



「お前らいつまで残ってるんだ」と見回りの先生に追い出されるように渋々教室を後にし昇降口へと急いだ。



前を歩くみんなの背中を見つめて、ふと思う。


そういえば、秋ちゃんに、みんなに皐月くんのこと話した方がいいかな。でもいま言ったらせっかくの卒業の思い出をぶち壊してしまうかもしれない。



皐月くんが卒業式に来なかったのもまだみんなに知られたくないからだろう。それを私が勝手に言ってしまうのはルール違反のような気がした。




「(秋ちゃん。みんなごめんね。私、みんなに秘密にしてたことがあるの。いまはまだ言えないけど、また会ったときに話すから、そのときは聞いてくれるかな……)」




ぎゅっと唇を結び、みんなの背中を追いかけた。昇降口で靴を履き替え、外に出れば卒業生達がうじゃうじゃと残っていて。私達と同じように友達との別れを惜しんでいた。



と、そんな卒業生の群れの中に、タレ目の見知った顔を見つけた。向こうも私に気がついたようでパタパタとこちらに駆けてくる。




「胡桃、探してたんだよ」

「私を?」

「そう!」




どうやら私は、杉野くんに探されていたらしい。