オトナだから愛せない





《言いたくないなら、別に俺はいーけど。俺も言わないから》

「あ、ずるい!」





と、突然開き直る皐月くん。





《言えよ、胡桃》




あ、かっこいい。そんな言い方、卑怯だ。耳元にじんわりと優しく低い声音が纏わりついて、私の全てを奪っていく。




「……また、皐月くんのペースだ」

《最初に聞いてきたのは胡桃だろ?》

「いまみたいに、強引なところ!」

《へー、強引なのが好きなんだ》

「違うよ、強引だけどなんだかんだ優しいところと、あとかっこいいところ」

《それから?》

「仕事が忙しいときでも私のこと気にしてくれるところとか、」

《うん》





皐月くんのいいところは言い出したらキリがなくて“好き”が溢れて止まらなくなる。





「あ、仕事の電話してるときもすごくかっこいい!頼られてるんだなって思うし」

《うん》

「それから、人には甘えろって言うくせに、自分は甘えるのが下手くそなところ」

《うん》

「あ、あと、お酒飲むと甘えたになるのも可愛くて好き!」

《だから可愛いって言うな》

「いーの!私が好きな皐月くんなんだから、文句言わないで!」




冬なのに、顔が熱い。皐月くんは素敵なところが多くて困るよ。