オトナだから愛せない




《違うよ、強引だけどなんだかんだ優しいところと、あとかっこいいところ》

「それから?」

《仕事が忙しいときでも私のこと気にしてくれるところとか、》

「うん」

《あ、仕事の電話してるときもすごくかっこいい!頼られてるんだなって思うし》

「うん」

《それから、人には甘えろって言うくせに、自分は甘えるのが下手くそなところ》

「うん」

《あ、あと、お酒飲むと甘えたになるのも可愛くて好き!》

「だから可愛いって言うな」

《いーの!私が好きな皐月くんなんだから、文句言わないで!》




冬なのに、顔が熱い。ダメだな本当。




《「あ、てか、私ばっかり言わされてる!」》

「え……」




恥ずかしくなったのか、突然大きな声で俺責めてくる胡桃。と、電話越しで話していたはずなのに同じ言葉がやけにクリアに聞こえた。




「胡桃、いまどこ?」

《「あ、またそーやって話をそらす!」》

「いや、そうじゃなくて、いーからどこにいる?」

《「帰り道、もうちょっとでコンビニが見えるところ」》




胡桃のその言葉に足早に進めば、視線の先にはスマホを耳に当てた胡桃の後ろ姿があった。




「胡桃、後ろ」




その言葉につられるように胡桃がこちらを向く。通話を終了してスマホをポケットにしまった。




「皐月くん!」




パァッと笑いながらこちらに駆けてくるその姿に口元が緩む。