オトナだから愛せない





《それで、それで、皐月くん!!私が送った質問の答えは?》

「あー、えーと、なんだっけ?」




とりあえず、すっとぼけてみる。すれば胡桃は絶対に噛みついてくる。




《あ!!とぼけるなんてずるい!私の好きなところ教えてってやつ!》




きっと、俺の言葉に一喜一憂してスマホを握り締めながら、眉根を寄せてコロコロ表情を変えて怒っているんだろうなと思った。




「じゃあ、俺の好きなところは?」

《え?》

「俺に聞くなら、胡桃も答えないとだろ?」

《皐月くん》

「なに?」

《もしかして、それを聞くために電話してきたの?》

「(鋭い)」

《ねぇ、なんで黙るの!?そーなんでしょ!》




必死な胡桃の声に思わず笑みが溢れる。いつだって嘘とか偽りとかなくて、てか本当に嘘をつくのが下手くそで。



「言いたくないなら、別に俺はいーけど。俺も言わないから」

《あ、ずるい!》




ずるいのなんて、分かってる。でも、




「言えよ、胡桃」

《……また、皐月くんのペースだ》

「最初に聞いてきたのは胡桃だろ?」

《いまみたいに、強引なところ!》

「へー、強引なのが好きなんだ」




責めるような口調の胡桃をまたからかってみれば、ふわりと口調が優しくなった。