オトナだから愛せない













胡桃にメッセージを送りスーツのジャケットを脱ぐ。久しぶりに家で一緒に飯を食う約束をしていた。



胡桃が来るのを待たずに風呂場へ向かい汗を流す。頭と体を洗い、10分も経たずにリビングに戻った。




「胡桃、シチュー温めたか?」

「……」




ソファに座っていた胡桃に呼びかけてみたけれど返答はなし。




「胡桃……?」




髪をタオルで拭きながら胡桃に近づけば「スー、スー」と寝息が聞こえてきた。



覗き込んで見れば綺麗な顔で眠っている胡桃。風呂に入ってきたんだろう。ふわりとシャンプーの匂いがした。




「無防備に男の部屋で、寝てんなよ」




ソファの下に座り、するりと指先を絡めてみる。「んっ」と反応を見せたものの起きる気配はない。