「言いたくないなら、言わなくていい」
「……」
「無理に、聞いたりしないから」
「……」
全部、皐月くんには筒抜けで。彼はどうしようもないくらい私を甘やかすのが上手だ。
「でも、あんまり溜め込むなよ」
「……」
「いっぱいいっぱいになる前に、こうして俺のところにくればいいよ」
「……」
私の胸の中のモヤモヤが晴れていく。皐月くんは本当にすごい。エスパーかなにかなの?
嬉しくてこくりと頷き、唇を開く。
「あの、皐月くん……」
「ん?」
「……」
「……」
「あの、ぎゅって……しても、いいですか……?」
そう呟けば耳元で皐月くんの、うんと甘い声音が私の涙腺を崩壊させた。

皐月くんの腕の中はどうしようもないくらい、温かかった。



