オトナだから愛せない





「あの、すみません。星じゃなくてハートのモチーフのものってありますか?」

「はい、御座いますよ。こちらでご用意しているものがハートをあしらったものになっております」

「有難う御座います」




少し右手の方へずれるとシンプルなシルバーのハートが付いたものや、小さなデザインでピンクの石が付いたものとハートをあしらったいくつかの商品が並んでいた。




「ちなみに人気の商品って、どちらですか?」

「ハートですと、こちらのサファイアの石が付いた物が大変人気で御座います」

「あ、そうなんですね」




差し出されたそのネックレスにはブルーの石が付いている。人気商品を聞いたにも関わらず、それもいまいち胡桃のイメージと違うなと思ってしまった。



と、その隣に小さなハートと少し大きなハートがふたつくっ付いた黄緑色と薄いピンクの石がキラキラと光るデザインのものを見つける。こっちの方が胡桃っぽい。



でも、俺が選んだものよりショップの人気商品を貰った方が嬉しいか……?



再びガラスケースと睨めっこをする俺に、おばさんはにこやかに微笑んだ。




「お客様失礼ですが、プレゼントされる方は彼女様ですか?」

「え、」

「あ、店員がこんなことを聞いて申し訳御座いません。ただあまりに真剣に選ばれているので気になってしまって」

「あー、えー、はいそんな感じです」

「そうですか」

「ただ、好みが分からなくて、なにをあげたら喜んで貰えるものなのか女性のものには疎くて。人気商品をあげたら喜んで貰えますかね?」

「さようですか。でしたら、お客様が彼女様に似合うと思うものを差し上げるのがいちばん喜んでいただけると思いますよ」




柔らかい物腰で、溢れるという表現が似合う笑顔でそのおばさんはハートのモチーフのネックレスを次々とガラスケースの中から取り出し、ケースの上に置いてくれた。