オトナだから愛せない





重たい瞼を持ち上げながら、スーツのジャケットに袖を通す。ローテーブルの上に置いていたスマホを手にしメッセージの画面を開いた。









胡桃からの返事は未だにない。
最近、仕事が忙しく帰りも遅い。胡桃に会う時間が前よりも減っていた。だから正直、不安になることがある。




「なんなんだよ、いったい……」




時刻は朝の5時56分。胡桃はまだ起きていない時間。質問の真意を聞こうにも聞けない。このままモヤモヤの気持ちを残したまま会社に行くのはなんだか憂鬱だった。



て、あいつのことだから、なんとなくで聞いてきた。ただそれだけのような気もしないでもないのだが。



毎度、毎度、あいつの言動にこうも振り回されてる俺って、なんなんだ。と、大の大人が恥ずかしいにもほどがある。



家を出る支度を終え、いつもと変わらない時間に玄関の扉を開いた。