と、私のスマホは着信を知らせる。

「もしもし、」
《お、反抗期娘》
「なにさ、意地っ張り」
《うるさい》
「寝てろって言われても、心配するなって言われても皐月くんが帰ってくるまで起きて待ってるからね」
《うん》
「え……、」
《11時までには帰るから、待っててよ》
「……」
《胡桃の好きなアイス、買って帰るから》
優しい声音が私の鼓膜を甘く刺激する。ずるいよ皐月くん。皐月くんはどうしてこんなにも私のことを、どきどきさせるのが上手なんだろう。
「うん!待ってるね、皐月くん」
《でも、もしかしたらそれより遅くなるかもしれないから無理には》
「待ってるよ、皐月くんが帰ってくるまで。私はずっと待ってる。そもそも子供じゃないんだからそんなに心配しないでよ」
《まだまだ、ガキだろ》
「なにさ、失礼な」
《仕事、早く終わらせるから》
「うん、頑張って」
《(心配しすぎ)》
「(心配しすぎ、だよ)」
《(はぁ、どうしようもないくらい、好きだ)》
「(そんなところも大好きだけど、)」
《(結局のところ心配するのに、)》
「(結局のところ心配するのに、)」




