「杉野くんと一緒にいるのに、皐月くんに会いたいななんて思って、杉野くんが言ったことに皐月くんならこう言うんだろうなとか、こんな私を好きだって言ってくれたのに、私は皐月くんからの連絡ばっかり待ってて。
終いにはさっき告白してくれた杉野くんを傷つけるみたいに、好きな人のこと、皐月くんのことが……大好きだって言い切ってしまって……。それを皐月くんに聞かれてたら恥ずかしいなと思って話すのを渋っていた次第でございます……」
最後の方は今にも消え入りそうな音量だったと思う。顔が熱くてたまらない。
けれど、目の前の皐月くんの顔もみるみる赤に染まっていくから私はまだ、話が噛み合っていないのかと心配になった。それか、本当に引かれているかのどちらか。
「杉野くんには本当に申し訳ないと思ってるよ。自分が最低な奴だってことも分かってる。でも、」
「いや、」
「……」
「……最低なのは、俺だ」
「……」
「……」
「なんで、皐月くんはなにも」
言い終わる前に私は皐月くんの腕の中に閉じ込められた。
ぎゅっと抱きしめられた腕の中は皐月くんの匂いがして温かい。
「お前、本当、バカ」
「バカだけど、バカ、バカ言わないで……」
「うん、今回は俺のほうが数倍バカだった」
「……え、皐月くん?」
いつもの皐月くんと違う。



