「優しくて、人思いで、好きな人しか見てない胡桃だから好きになったんだ」
「……」
そんなことを言われて、今まで彼の気持ちに気付いていなかった私はとんでもなく失礼な奴ではないかと申し訳なくなる。
でも、申し訳なくなったところで彼の気持ちに応えることのできない私が、どれだけの大層な言葉を並べようと彼を傷つけてしまう現実に変わりはなくて、どの言葉を並べても不正解のような気がして結果、言葉を詰まらせた。
「そんな顔するなよ。分かってるのに俺が勝手に言っただけだし、それになんか聞いてほしくなさそうだから、その好きな奴について追求することもしないし」
「……杉野くん、モテるでしょ」
あの雨の日にも言った言葉を優しさの塊みたいな杉野くんに再度伝えればトレードマークのタレ目を細めて「そりゃ、モテるよ」なんてふざけた口調で返された。
「モテるんだけどね、好きな子にはモテないのよ俺」
「すみません……」
「あ、やっと自覚してくれた!?俺に好かれてるって」
「さすがに、あそこまで言われて分からないほどバカではなかったです……」
「ならよかったです。知ってもらえただけで、よかった」
目指していたコンビニまで辿り着き、どうしていいのか分からなくてそわそわしてしまう。



