幸いにもあたしの家は裕福で、お小遣いは月3万円。


同世代の子と比べてみても随分と多い。


ちょっと奢るくらいならなにも問題はなかった。


それに、月に千円程度奢るだけでサチはあたしの従順な犬になってくれるのだ。


お互いにいい関係を保っていると言えた。


「来週くらい?」


「そうだね。土日はダメなんでしょ?」


「うん。もうバイト入れちゃったから、放課後がいいんだけど」


「わかった。ちょっと喉が渇いたから、ジュースを買って来てくれる?」


「もちろん!」


サチがスキップをしながら教室を出て行く。


その後ろ姿を見てあたしは含み笑いを浮かべたのだった。