この調子だと今日もウサギ小屋を見る事はできないかもしれない。


そう考えてあたしはため息を吐きだした。


「わかった。この写真は誰にも見せない」


そう言うと、リカコは心底ホッとした表情を浮かべた。


ずっとリカコをイジメてきたあたしが、そんな優しさを持っているわけがないのに。


「その代り、明日3万円持って来てよ」


「え……?」


「あたしたちのお小遣い」


「でも、3万円なんて大金持ってない!」


アルバイトもしていないリカコからすれば、3万円なんて到底手に入る金額ではないだろう。


そんなこと、わかっていた。


「じゃあ、この写真をヨシキに見せてもいいの?」


「それは……」


好きな人に、自分のイジメられている姿なんて見られたくないだろう。