「そんなことしない!」


ケイコは今にも泣きだしそうな顔になり、あたしにすがりつく。


「どっちかが嘘をついてるってことだよね」


あたしはケイコとサチを交互に見つめた。


「あたしじゃない!」


「あたしだって違う!」


2人は互いに罪の擦り付け合いをし始めてしまった。


これじゃどっちが裏切者なのかわからない。


「わかった。どっちも裏切者なんだね」


低い声でそう言うと、2人とも動きを止めた。


「違うよアキコ! あたしたちずっと仲が良かったじゃん!」


サチがあたしの腕を掴んでそう言って来た。


あたしはその手を振りはらう。


「信用できない」


「そんな……!」