「これ1匹だけじゃお腹空くよね? もっと沢山とってきてあげようか?」


あたしがそう聞くと、リカコが動きを止めた。


青ざめ、恐怖した顔をこちらへ向けている。


これ以上あたしに逆らうとどうなるか、ようやく理解したみたいだ。


「買って来たよ!」


ペットボトルの水を息を切らしながら持って来たサチ。


「ありがとう」


あたしはそれを受け取ると、すぐにキャップを外した。


そしてリカコの口元へと持って行く。


そのタイミングでスズがリカコの口を解放した。


叫び声は聞こえなかった。


リカコがなにか言うより早く口の中に大量の水を流し込み、再び強引に閉じさせたのだ。


あたしの下で苦しそうにもがくリカコ。


「このまま口に水を含んでたら、窒息死しちゃうんじゃない?」


スズがおかしそうに笑いながら言う。