あたしたちの邪魔をしないよう、午前中にメッセージを送っておいてよかった。


1人残されたコトネは怯えた表情をあたしたちへ向けている。


「あの……なにか用事ですか……?」


「うん。ちょっとね」


サチはそう言い、コトネの背中を押して何もない空間へと移動させた。


リカコが見えないロープで首を吊った辺りだ。


「一体何を……」


そこまで言い、コトネは言葉を切った。


代わりに目を丸くしてなにもない空間を見つめている。


「なにが見える?」


ギラギラと目を輝かせたサチがコトネに聞く。


「ウサギ小屋が……どうしてこんなところに……」


怯えた様子を見せながらも、なにかに誘導されるように一歩ずつ前へ進んで行くコトネ。


「ウサギが、全部死でる」


何もない地面を見つめてそう呟くコトネ。


その顔にはすでに恐怖の色はなかった。