「リカコってば爪も伸びてて汚い!」


スズがリカコの手を掴んでそう言った、


リカコの爪は全然伸びてなくて、ちゃんと整えられている。


細くて綺麗な手をしているから、気をつかっているのがわかった。


「本当だ、汚ぁい! 切ってあげないとね!?」


ウキウキとした声でサチがそう言い、自分のポーチから爪切りを取って持って来た。


「やめて! 爪は綺麗にしてるんだから!」


「へぇ~え? これで綺麗だって言えるの? こんなガタガタに切ってるだけで?」


あたしはリカコの艶のある爪を見てそう言い、ニタリと笑った。


リカコが唯一手をかけている爪を壊したら、どうなるんだろう?


考えただけでも面白かった。


「ほら、あたしたちがちゃんと綺麗にしてあげるからね!」


サチがそう言い、爪切りをリカコの指に押し当てた。


「やめて!」


そう叫んで暴れるリカコをあたしとスズで抑え込んだ。