学校内であんな子はみたことがなかった。


でも、あれだけ可愛ければ男子たちは知っていそうだ。


ほのかな嫉妬心が胸に灯るのを感じ取った。


「どうして別れたの?」


「俺がサッカーばかりだったから」


そう言い、苦笑いを浮かべるユウジ。


「そんなの当たり前じゃん。ユウジはプロを目指してるんだから!」


あたしは思わず大きな声でそう言っていた。


ユウジの夢を一緒に応援できないなんて、最低な女だ。


そんな女、ユウジに相応しくない。


「あはは、ありがとうアキコ」


そう言い、ユウジはあたしの手を握りしめてくれた。


確かに感じるユウジの温もりに、心が安定していく。


ユウジの彼女はあたしだ。


なにも心配することはない。


でも……。


あの子、ちょっと邪魔かもね……。