ギィィィィィィ!!


獣の雄たけびのような声が聞こえて来たのは、放課後の校舎裏だった。


すっかり陽が落ちた中、制服と来た1人の少女がウサギ小屋の中にいた。


「あはっ……あはははは!」


少女は白い制服を真っ赤に染め、心からおかしそうに笑い声を上げる。


その足元には一羽のウサギが横たわっていた。


白いウサギの毛は真っ赤に染まり、腹部から内臓が飛び出している。


少女の手には血にまみれたカッターナイフがしっかりと握りしめられていた。


血なまぐさい臭いなんて気にする様子も見せず、少女は残りのウサギへ視線を向ける。


残り3羽のウサギたちは異変を感じ取り、小屋の中から逃げようと跳ねまわった。


しかし、そこに出口はない。


少女は片手を伸ばし、今まさに逃げようとしたウサギの耳を鷲掴みにして掴み上げた。


ウサギは足をばたつかせて必死でもがく。


しかし、少女は微笑を浮かべたままウサギを離そうとはしなかった。


左手にウサギ、右手に握りしめたカッターナイフ。


少女はおもむろに右手をウサギの前へとかざした。