23時、病棟の巡回にいく時間だ。

一緒に夜勤についていた和美ちゃんが巡回にでた瞬間、辺りをそっと見回した。

私以外の人の気配はない。

仮眠室のドアの前でごくりと唾を飲み込んだ。

静かに扉を開け、真っ暗な仮眠室にそっと滑り込んだ。

「仮眠室の神様!

私30までには結婚したいんです!

だから一刻も早く彼氏がほしいんです!
どうか素敵な出会いをお願いいたします……あっ具体的に名前を出した方がいいのかな?

んー、高望みだけど小児科の坂口先生、とか?宜しくお願い致します」


とりあえず神社で参拝するように手を叩いて深く頭を下げてみた。