「ねぇ、麻美」

食堂でランチを一緒にとっていた同じ外科の看護師晴美が声をひそめた。

「実はさ、一昨日の夜勤でこっそり仮眠室入ったんだよね」

「えっ!」

思わず声をあげた私に晴美はしーっと人差し指を口にあてた。

「やってみたの。
リハビリの葛西くんの名前を唱えて昨日告白したら付き合うことになったの」

「うそ……」

同い年で彼氏がいない仲間だった晴美に彼氏ができた。

喜ばしいはずなのに好きな人すらいない私は焦って手元の水を一気に飲み干した。

「今日麻美夜勤でしょ?
試してみたら?」

晴美の言葉にごくりと唾を飲み込んだ。