同じ『あさみ』なのに、こんな素敵な佐久間先生と結婚するなんて羨ましいなとボンヤリ佐久間先生の言葉に酔いしれていると、仮眠室から照れながら二人が姿を現した。
居合わせたスタッフは口々に

「おめでとうございます」

と祝福した。

そんな騒ぎの中、自分のデスクから立ち上がった服部先生は、白衣のポケットに手を突っ込み不機嫌そうな顔で医局から出ていった。

私の横を通りすぎざまに一言

「…顔、赤いぞ」

そう私に呟いて…。

えっ?もしかして服部先生って長田先生が好き…だった?

八つ当たりされたような気がして私は服部先生の後ろ姿を睨み付けた。