荷物を人質にとられ、勝手に帰ることもできず、慌てて先生の後を追った。

タワーマンションの景色のいい上層階に住んでいるのかと思っていたが、先生はエレベーターに乗ると3階のボタンを押した。

「なんでこんな素敵なマンションに住んでいるのに上層階じゃないんですか…」

「災害とか停電になったらどうすんだよ。階段だぞ!無理だろ。

…お前上層階に住みたいのか?

引っ越すか……?

どうせ引っ越すなら俺は戸建てがいいんたが…

まぁおかえりって出迎えてくれればどこでもいいか。」

頬を緩めた先生は、私との未来を想像して一人にやけ、そのとなりで私はぽかんと口をあけてそんな先生を見上げていた。