仮眠室で囁いて

申し送りを終えると、にやつく晴美に腕を引かれて無理矢理医局に連行された。

「服部先生ー、お疲れ様でした。
ゆっくり安眠してくださいね」

そう言い残し、医局に一人取り残されて今度は先生たちの注目のまととなり、もはや一刻も早くこの場から逃げたくて

「先生、帰りますよ!!」

と不貞腐れる私に晒名先生と佐久間先生が肩を震わせて笑っている。

「ったく強引だな服部先生。
それじゃ高橋さんに嫌われますよ?」

「大丈夫です。
もう充分嫌ってますから。
みんなの前であんなこと言うなんてサイテーです!
服部先生なんて大っ嫌い!」
涙目でにらみつけると、目の前の
先生が舌打ちして立ち上がり

「帰るぞ!」

と私の腕を掴んだ。