そんなことぼけーっと考えてたら、
「隣いいですか？」
声をかけられた。
　
　目線を上にやると、なんとまあ、綺麗なお姉さん。
　
　美人と可愛いの中間で、いい感じなの。すっごいタイプ。
　
　でも、残念。お腹が大きい。妊娠してるのね。
　
「もちろん。俺、そろそろ降りるんで、奥にどうぞ」
　
　立ち上がって通路に出ると、お姉さんは「ありがとう」ってにっこり微笑んだ。たまんないね。
　
　お姉さんは、おしりをずらして奥の座席に移動しながら、目だけ動かして、俺の体をじいっと見る。
　
　その目、やめてよ。ドキドキしちゃう。
　
　俺が隣に座った途端、お姉さんは、口を開いた。
　
「あなた、Ｓ高校の生徒さん？」
　
　なあんだ。俺の体見てたんじゃなくて、制服を見てたのね。　

「うん。でも、ここは学校の外だから、一人の男。だから、おねーさんのこと、ナンパしちゃおっかなあ」
　
「あははは、妊娠してから初めてナンパされた。
私の主人と妹、Ｓ高校に通ってるのよ」
　
「そうなんだあ」

　こんなに綺麗なお姉さんの妹だったら、さぞかし可愛いんでしょうね。