「よお、貴史ちゃん。ご機嫌いかが?」
男はむっくりと起き上がって、抑揚のない声で言った。
「と、とっ」
貴兄は目を丸くして、言葉にならない声を発す。
ゆっくり立ち上がった男は、首に手を当てて左右にリズムよく振ると、
「ふうん。お姉さんのリング、どこかで見たことあると思ったら、貴史ちゃんだったのね。
なるほど、こちらの『綺麗な』改め『アグレッシブな』お姉さんは、貴史ちゃんの奥さんね。名前は、燈子さん。
と、いうことは、この可愛いドレスのキミが『在原響子』ちゃんかあ」
もう一度、私の目の前にしゃがんで、私の頬をつついた。
「よろしくね、可愛いキョウコちゃん」
「と、戸部たすく!!」
やっと、声を取り戻した貴兄は、その声を存分に張り上げた。
ん?
戸部たすくですって!? 戸部たすくぅぅぅぅ!?
「はあい」
と、戸部たすくは、ゆるーい返事をかます。笑顔で、しかも、片手を挙げて。
ひゃ、100マタ戸部たすく!
「な、なんで私の名前を……!?」
「ん? 燈子さんがバスの中で教えてくれたのよ」
お姉ちゃんが!?
……ということは。
「バスの中でお姉ちゃんをナンパしたのは、あなたなの……!?」
「ああ、そんなこともあったかな? それよりも、『あなた』なんて呼ばないでよ。
たっしーって呼んで?」
戸部たすくは、極上の微笑みを私に向けた。
ほ、保健室であんな事して、100マタで、なおかつ合コン行って、その上妊婦のお姉ちゃんをナンパしたのは――目の前で無邪気に笑うこの男!?
男はむっくりと起き上がって、抑揚のない声で言った。
「と、とっ」
貴兄は目を丸くして、言葉にならない声を発す。
ゆっくり立ち上がった男は、首に手を当てて左右にリズムよく振ると、
「ふうん。お姉さんのリング、どこかで見たことあると思ったら、貴史ちゃんだったのね。
なるほど、こちらの『綺麗な』改め『アグレッシブな』お姉さんは、貴史ちゃんの奥さんね。名前は、燈子さん。
と、いうことは、この可愛いドレスのキミが『在原響子』ちゃんかあ」
もう一度、私の目の前にしゃがんで、私の頬をつついた。
「よろしくね、可愛いキョウコちゃん」
「と、戸部たすく!!」
やっと、声を取り戻した貴兄は、その声を存分に張り上げた。
ん?
戸部たすくですって!? 戸部たすくぅぅぅぅ!?
「はあい」
と、戸部たすくは、ゆるーい返事をかます。笑顔で、しかも、片手を挙げて。
ひゃ、100マタ戸部たすく!
「な、なんで私の名前を……!?」
「ん? 燈子さんがバスの中で教えてくれたのよ」
お姉ちゃんが!?
……ということは。
「バスの中でお姉ちゃんをナンパしたのは、あなたなの……!?」
「ああ、そんなこともあったかな? それよりも、『あなた』なんて呼ばないでよ。
たっしーって呼んで?」
戸部たすくは、極上の微笑みを私に向けた。
ほ、保健室であんな事して、100マタで、なおかつ合コン行って、その上妊婦のお姉ちゃんをナンパしたのは――目の前で無邪気に笑うこの男!?



