「あの!!」
男は突然立ち上がって、何を思ったかこっちに歩いてくる。
来ないで。そう言いたいのに、声が出ない。
男の足が机に当たった。
男は、私の瞳をじっと見つめる。
手がゆっくりと伸びてきて……。
嫌!!
男の指が、私の頬に触れた途端、今まで感じたことのない恐怖が私を支配した。思わず立ち上がる。
私は、机を力いっぱい押しのけて、扉に向かって駆ける。
私の肩は何かにぶつかって、わけのわからないうちに反対側の肩が壁に激突した。
男が私の腕を掴んでる。そう感じるやいなや、私の心臓は大きく波打った。
何? 怖い……!
男の腕を振りはらって、部屋の外に飛び出した。
「響子!!」
お姉ちゃんが私を呼ぶ。私は、その声に答えることができずに、その場にへたり込んでしまった。
「あなた、響子に何をしたの!?」
お姉ちゃんの怒鳴り声。違う、違うよ、お姉ちゃん。その人は何もしてないの……。
「ねえ、落し物」
凛として透き通るような声。
落とし物? あ、義眼が!
肩を叩かれたことで心に決めた。……もう一度確認してみよう。
見えないなんて、そんなことあるはずがないもの。裸眼ならもっとはっきり見えるはず。
勢いをつけて振り向く。
男の冷静な瞳が一瞬で大きくなった。私の左目を凝視する。
駄目……。見えない……。
どうして? どうしよう……。
数字が見えない私なんて、ただのお荷物じゃない……。
「きれいな目……」
え?
男は突然立ち上がって、何を思ったかこっちに歩いてくる。
来ないで。そう言いたいのに、声が出ない。
男の足が机に当たった。
男は、私の瞳をじっと見つめる。
手がゆっくりと伸びてきて……。
嫌!!
男の指が、私の頬に触れた途端、今まで感じたことのない恐怖が私を支配した。思わず立ち上がる。
私は、机を力いっぱい押しのけて、扉に向かって駆ける。
私の肩は何かにぶつかって、わけのわからないうちに反対側の肩が壁に激突した。
男が私の腕を掴んでる。そう感じるやいなや、私の心臓は大きく波打った。
何? 怖い……!
男の腕を振りはらって、部屋の外に飛び出した。
「響子!!」
お姉ちゃんが私を呼ぶ。私は、その声に答えることができずに、その場にへたり込んでしまった。
「あなた、響子に何をしたの!?」
お姉ちゃんの怒鳴り声。違う、違うよ、お姉ちゃん。その人は何もしてないの……。
「ねえ、落し物」
凛として透き通るような声。
落とし物? あ、義眼が!
肩を叩かれたことで心に決めた。……もう一度確認してみよう。
見えないなんて、そんなことあるはずがないもの。裸眼ならもっとはっきり見えるはず。
勢いをつけて振り向く。
男の冷静な瞳が一瞬で大きくなった。私の左目を凝視する。
駄目……。見えない……。
どうして? どうしよう……。
数字が見えない私なんて、ただのお荷物じゃない……。
「きれいな目……」
え?



