さっきの写真の男……。まりこさんの他に女が3人もいるなんて。しかも、まりこさんは、その中の一番じゃない。
許せない。でも、1週間後、あの男に天罰が下る。
はあ、疲れた。思った以上に重い暗示で困ってしまったわ。言葉を選ぶのって難しいわね。
息つく暇も無く、扉が開く。
光に包まれて、ドアの前に立っているのは、見たことがない男。
眩しい。
「閉めて」
私は、男に向かって声を発す。
聞こえてないのかしら? 微動だにしない。
「閉めて」
今度は強い口調で言った。
「どうぞ」
ようやく、扉を閉めた男はおずおずと椅子に座った。
初診の男。顔は、悪くない。どちらかと言うと……いい方なんじゃない?
どことなくスレた雰囲気にも関わらず、その大きな瞳はガラス玉のように澄んだ色をしていた。母性本能をくすぐる女ウケしそうなタイプ。
容貌でわかるのはこれくらい。
さて。本番はここからよ。どんな男か、洗いざらいみてやろうじゃない。
…………。
あれ……? おかしい。どうして?
改めて目を凝らす。
嫌だ……。見えない。
この男の周りだけ、数字が消えている。消えている? 違う。単に見えないのよ。
数字が見えない……。嫌だ……どうして?
「……みえない」
勝手に唇が動いた。
「あっ……」
男が呆然と私を見つめる。
怖い……。
許せない。でも、1週間後、あの男に天罰が下る。
はあ、疲れた。思った以上に重い暗示で困ってしまったわ。言葉を選ぶのって難しいわね。
息つく暇も無く、扉が開く。
光に包まれて、ドアの前に立っているのは、見たことがない男。
眩しい。
「閉めて」
私は、男に向かって声を発す。
聞こえてないのかしら? 微動だにしない。
「閉めて」
今度は強い口調で言った。
「どうぞ」
ようやく、扉を閉めた男はおずおずと椅子に座った。
初診の男。顔は、悪くない。どちらかと言うと……いい方なんじゃない?
どことなくスレた雰囲気にも関わらず、その大きな瞳はガラス玉のように澄んだ色をしていた。母性本能をくすぐる女ウケしそうなタイプ。
容貌でわかるのはこれくらい。
さて。本番はここからよ。どんな男か、洗いざらいみてやろうじゃない。
…………。
あれ……? おかしい。どうして?
改めて目を凝らす。
嫌だ……。見えない。
この男の周りだけ、数字が消えている。消えている? 違う。単に見えないのよ。
数字が見えない……。嫌だ……どうして?
「……みえない」
勝手に唇が動いた。
「あっ……」
男が呆然と私を見つめる。
怖い……。



