「あのねえ、お姉ちゃん……」
怒りを押し殺して、溜め息をひとつ。
「ああ! 響ちゃん、ごめんなさい。私知らなかったのよ……。
響ちゃんが本当はレズビアンだったなんて」
ええ!? そっちですか! 私は、いたってノーマルですが!
「いや、お姉ちゃん、ちが――」
「大丈夫よ! 絶対誰にも言わないから!
でも、嬉しいわ。響ちゃんが本当のことを打ち明けてくれて」
お姉ちゃんは親指を突き出して、私の鼻先にぐっと近づけた。
そして、ウインク。
誰か助けて。
……もう、どうでもいいや。
面倒だから、誤解させたままにしておこう。
「ああ、響ちゃん、そんなに不安にならないで?
大丈夫よ、恋愛は自由だもの」
私が不安なのは、お姉ちゃん、あなた自身ですよ。
「ほら、響ちゃん、そろそろ時間よ。お着替えしましょうね」
ニヤリと目を光らせるお姉ちゃん。い、嫌な予感。
「お、お姉ちゃん、まさか、また――」
お姉ちゃんは、妊婦とは思えない軽やかな足取りでカウンターから出てくると、私の腕をぐいぐい引っ張る。
「ふふふ。響ちゃんの新しいドレス、買ってきたのよぉ」
うげ。
怒りを押し殺して、溜め息をひとつ。
「ああ! 響ちゃん、ごめんなさい。私知らなかったのよ……。
響ちゃんが本当はレズビアンだったなんて」
ええ!? そっちですか! 私は、いたってノーマルですが!
「いや、お姉ちゃん、ちが――」
「大丈夫よ! 絶対誰にも言わないから!
でも、嬉しいわ。響ちゃんが本当のことを打ち明けてくれて」
お姉ちゃんは親指を突き出して、私の鼻先にぐっと近づけた。
そして、ウインク。
誰か助けて。
……もう、どうでもいいや。
面倒だから、誤解させたままにしておこう。
「ああ、響ちゃん、そんなに不安にならないで?
大丈夫よ、恋愛は自由だもの」
私が不安なのは、お姉ちゃん、あなた自身ですよ。
「ほら、響ちゃん、そろそろ時間よ。お着替えしましょうね」
ニヤリと目を光らせるお姉ちゃん。い、嫌な予感。
「お、お姉ちゃん、まさか、また――」
お姉ちゃんは、妊婦とは思えない軽やかな足取りでカウンターから出てくると、私の腕をぐいぐい引っ張る。
「ふふふ。響ちゃんの新しいドレス、買ってきたのよぉ」
うげ。



