「あんな可愛い弟がほしいわあ。そうだ、響ちゃん、学校であの子探して付き合いなさいよ」
「はあっ!?」
まーた突拍子もないこと言い出したわ、この人!
全く悪気の無いお姉ちゃんは、湯気が立ち上るティーカップを私の前に置いた。
「お姉ちゃん、思ったことは脳でろ過してから喋ってちょうだい。
はあ、いくらお姉ちゃんが可愛くても、妊婦をナンパするような男は御免だわ。そういう男は、家庭をめちゃくちゃにするタイプね」
あつあつの紅茶に息を吹きかけながら、お姉ちゃんの思いつきをやんわり斬り捨てる。
「タイプと言えば、響ちゃん! どんな子が好みなの?
前から一度聞いてみたかったのよ。響ちゃん、かわいいのに全然男っ気がないんだもん」
「タイプ……」
そんなの決まってる。
優しくて、誠実で、私の目をちゃんと見てくれて、褒めてくれて、しかってくれて、でもその後は頭を撫でてくれて。貴兄……。
「ねえ、響ちゃぁん」
お姉ちゃんは、健康な目をキラキラさせて、私の顔を覗きこむ。
「好みのタイプなんてないわよ。私、そういうのに興味ないから」
「響ちゃん興味無かったんだ……」
あ、ちょっと言い方きつかったかな……。お姉ちゃんは、カウンターの越しに立ちすくんで俯いてしまった。
「お姉ちゃん……、ごめ――」
「じゃあ、これどうしましょう……」
私の謝罪を遮ったおねえちゃんは、カウンターの下から何かを取り出して、私の目の前に置いた。
見開きの立派な台紙を開けば、小粋な紋付ハカマ姿の男性が出現。
「お見合い写真」
と、我が姉。
…………。
高校生にお見合いさせようとするなーーっ!!
「はあっ!?」
まーた突拍子もないこと言い出したわ、この人!
全く悪気の無いお姉ちゃんは、湯気が立ち上るティーカップを私の前に置いた。
「お姉ちゃん、思ったことは脳でろ過してから喋ってちょうだい。
はあ、いくらお姉ちゃんが可愛くても、妊婦をナンパするような男は御免だわ。そういう男は、家庭をめちゃくちゃにするタイプね」
あつあつの紅茶に息を吹きかけながら、お姉ちゃんの思いつきをやんわり斬り捨てる。
「タイプと言えば、響ちゃん! どんな子が好みなの?
前から一度聞いてみたかったのよ。響ちゃん、かわいいのに全然男っ気がないんだもん」
「タイプ……」
そんなの決まってる。
優しくて、誠実で、私の目をちゃんと見てくれて、褒めてくれて、しかってくれて、でもその後は頭を撫でてくれて。貴兄……。
「ねえ、響ちゃぁん」
お姉ちゃんは、健康な目をキラキラさせて、私の顔を覗きこむ。
「好みのタイプなんてないわよ。私、そういうのに興味ないから」
「響ちゃん興味無かったんだ……」
あ、ちょっと言い方きつかったかな……。お姉ちゃんは、カウンターの越しに立ちすくんで俯いてしまった。
「お姉ちゃん……、ごめ――」
「じゃあ、これどうしましょう……」
私の謝罪を遮ったおねえちゃんは、カウンターの下から何かを取り出して、私の目の前に置いた。
見開きの立派な台紙を開けば、小粋な紋付ハカマ姿の男性が出現。
「お見合い写真」
と、我が姉。
…………。
高校生にお見合いさせようとするなーーっ!!



