バスルームを後にして、俺は仕度をする。
それなりに気を使ってきた身だしなみも、今はもう、どうだっていい。不思議なくらいに。
ふと、コルクボードに目をやると、手紙が目に入った。
キョンと出会うちょっと前に書いたやつ。
書いたはいいけれど、宛名も書かないままピンをさして貼り付けて、忘れてた。
書くあて先、なんてないんだけれど。
ちょうどいいや。持って行こう。
あそこからなら届くかもしれない。
ダウンジャケットの内側にそれを挿して、ファスナーをゆっくり上げた。
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