とりあえず。
ヒデさんに言われた通り、保健室での一部始終をできるだけ細かに伝えた。
荒木薫は、話の途中から顔をしかめて、ときおり、悔しそうに唇を噛んで。
それでも、私の当を得ないたどたどしい話の腰を折ることもなく辛抱強く最後まで黙って聞いてくれた。
「――というわけなんです」
「そうか。琴実が、また、な……。
それで、あんたが来たってわけか。
なるほど。確かにたすくが一番行きそうなところ……ノリさんとこはヒデより俺の方が都合がいい」
荒木薫は、ガシガシと右手で太陽を透かす短髪の頭を掻いて、「それで」と切り出した。
「それで、のんには言ったのか?」
「のん……?」
「たすくの妹」
私は頭を横に振った。
「おい、そこで暇してる歩く権力。
一年の戸部のどかを放送で呼んでほしい」
荒木薫は、ソファーで足を組んでいる生徒会長に声をかけた。
「ほう。それが人に、しかも主人に向かってものを頼む態度か」
主人!?
「んな、こと言い合ってる場合じゃねえんだよ。
頼むから、早くしてくれ」
「……それは何か俺に得でもあるのか?
無駄なことはしない、ということが俺の理念のひとつでな」
得? 何言ってるのよ、この人。
しらっとした視線を荒木薫にではなくて、私に向ける。
こんの男、私の事、試してるんだわ!!
ヒデさんに言われた通り、保健室での一部始終をできるだけ細かに伝えた。
荒木薫は、話の途中から顔をしかめて、ときおり、悔しそうに唇を噛んで。
それでも、私の当を得ないたどたどしい話の腰を折ることもなく辛抱強く最後まで黙って聞いてくれた。
「――というわけなんです」
「そうか。琴実が、また、な……。
それで、あんたが来たってわけか。
なるほど。確かにたすくが一番行きそうなところ……ノリさんとこはヒデより俺の方が都合がいい」
荒木薫は、ガシガシと右手で太陽を透かす短髪の頭を掻いて、「それで」と切り出した。
「それで、のんには言ったのか?」
「のん……?」
「たすくの妹」
私は頭を横に振った。
「おい、そこで暇してる歩く権力。
一年の戸部のどかを放送で呼んでほしい」
荒木薫は、ソファーで足を組んでいる生徒会長に声をかけた。
「ほう。それが人に、しかも主人に向かってものを頼む態度か」
主人!?
「んな、こと言い合ってる場合じゃねえんだよ。
頼むから、早くしてくれ」
「……それは何か俺に得でもあるのか?
無駄なことはしない、ということが俺の理念のひとつでな」
得? 何言ってるのよ、この人。
しらっとした視線を荒木薫にではなくて、私に向ける。
こんの男、私の事、試してるんだわ!!



