彼女を10日でオトします

 目玉が転げ落ちそうなほどに見開かれた目。その焦点は、まったく合っていない。瞳孔が開かれているようにも見える。

 青白い頬は、私の記憶のそれよりも、幾分痩せていて。こけている、という表現がぴったりと当て嵌まる。

 頭の上には、いくつもの数字が浮かんでいる。しかし、そのどれもが、マイナスイメージのもの。
 恐怖、疑い、寂しい、不安、怒り……。

 そして、未来の暗示を浮かべる肩にも。マイナスイメージのものがいくつか。

「たすくは何処なの!?」

 琴実さんは金切り声を上げた。

 ヒステリックなのに、どこか、悲しみの色を感じる声。

「たすくさんは……」と言おうとしたところで、ベッドを囲むカーテンが開かれた。

「るせー。俺はここにいるって」

 迷惑です、を具現化したような顔で頭をガシガシかくたすくさん。

「たすくっ!」

 琴実さんは歓喜の限りを尽くした声で叫びながら、たすくさんに駆け寄る。