扉の鍵を開けると、琴実さんが飛び込んで来た。
私には気付かないようなそぶりで、保健室の中央付近で立ち止まった。
息を切らして「たすく!」と声を張り上げる。
壊れたCDデッキのように、たすくさんの名前だけを大声で連呼する。その危機迫る異様な背中に、私は寒気を覚えた。
赤い髪を振り乱して室内を歩き回る。
そこでようやく、私の存在を認めたようだ。
「キョンちゃんたすくは!?」
恐ろしいくらいの早口。加えて、その声は悲鳴に近かった。
私は、ドキリとした。
私とたすくさんがふたりっきりで、鍵のかかった保健室にいたことが、ばれそうになったから――ではなく。
琴実さんの形相が凄まじいものだったから。
私には気付かないようなそぶりで、保健室の中央付近で立ち止まった。
息を切らして「たすく!」と声を張り上げる。
壊れたCDデッキのように、たすくさんの名前だけを大声で連呼する。その危機迫る異様な背中に、私は寒気を覚えた。
赤い髪を振り乱して室内を歩き回る。
そこでようやく、私の存在を認めたようだ。
「キョンちゃんたすくは!?」
恐ろしいくらいの早口。加えて、その声は悲鳴に近かった。
私は、ドキリとした。
私とたすくさんがふたりっきりで、鍵のかかった保健室にいたことが、ばれそうになったから――ではなく。
琴実さんの形相が凄まじいものだったから。



