「ち、ちょっと、降ろしてよ!」
ようやく出てきた文句も、「レディーがキャンキャン吠えないの」と何故だか私が、優しく窘められているニュアンスで。
もちろん、カチンとくる。
動揺というものは、あっという間に怒りに変換された。
「いい加減にしなさいよ!」
四肢を駆使して暴れると、木から落下するりんごよろしく、私の体は万有引力に従った。内臓が浮く感覚。
落ちる! と思った直後、私の体が大きく弾んだ。
ギシ、ギシ、とスプリングが唸る。
スプリング!? ってことは、ベッド!?
何で、保健室のベッドにスプリング入りのマットレスが引いてあるのよ!!
「キョンちゃん、だっこしてる時に暴れちゃ危ないでしょ。
俺、力無いんだからさ、間違って床に落としちゃうかもよ?」
そんなことを飄々と述べるたすく(もう、こんなやつ、呼び捨てでいいわ!)は、慌てて起き上がろうとする私を再び押し倒した。私の体の上に覆い被さる。
「どい――」
てよ! と言おうとした私の言葉をたすくは「俺の」と遮る。
「俺の力はさ、こうやって、好きな子を押さえつけるためにあるんだよね」
と、私の指に自分の指を絡めて、枕を挟むようにしてマットレスに押し付けた。
声が喉にひっかっかって出てこない。
熱を持った瞳は、いつもの子犬のような可愛らしいものではなく、獲物を追い詰めた肉食獣、例えるならクーガのようだ。
その視線に捕まって、私は、動けなくなってしまった。
鼻と鼻が微かに触れる。
「俺のことが大好きになる魔法をかけてあげる」
私の動きを止める作用があるらしいたぎった瞳はそのままに、口角をくっと上げた。
なにそれ!?
この人、頭、大丈夫かしら!?
それより、何より、この状況は、何!?
ようやく出てきた文句も、「レディーがキャンキャン吠えないの」と何故だか私が、優しく窘められているニュアンスで。
もちろん、カチンとくる。
動揺というものは、あっという間に怒りに変換された。
「いい加減にしなさいよ!」
四肢を駆使して暴れると、木から落下するりんごよろしく、私の体は万有引力に従った。内臓が浮く感覚。
落ちる! と思った直後、私の体が大きく弾んだ。
ギシ、ギシ、とスプリングが唸る。
スプリング!? ってことは、ベッド!?
何で、保健室のベッドにスプリング入りのマットレスが引いてあるのよ!!
「キョンちゃん、だっこしてる時に暴れちゃ危ないでしょ。
俺、力無いんだからさ、間違って床に落としちゃうかもよ?」
そんなことを飄々と述べるたすく(もう、こんなやつ、呼び捨てでいいわ!)は、慌てて起き上がろうとする私を再び押し倒した。私の体の上に覆い被さる。
「どい――」
てよ! と言おうとした私の言葉をたすくは「俺の」と遮る。
「俺の力はさ、こうやって、好きな子を押さえつけるためにあるんだよね」
と、私の指に自分の指を絡めて、枕を挟むようにしてマットレスに押し付けた。
声が喉にひっかっかって出てこない。
熱を持った瞳は、いつもの子犬のような可愛らしいものではなく、獲物を追い詰めた肉食獣、例えるならクーガのようだ。
その視線に捕まって、私は、動けなくなってしまった。
鼻と鼻が微かに触れる。
「俺のことが大好きになる魔法をかけてあげる」
私の動きを止める作用があるらしいたぎった瞳はそのままに、口角をくっと上げた。
なにそれ!?
この人、頭、大丈夫かしら!?
それより、何より、この状況は、何!?



