彼女を10日でオトします



 私、不良少女になりつつあるわ。

 と、頬杖をついて保健室訪問記録なるものを広げるたすくさんを見て思う。

 たすくさんは、『外出中』の札が掛かる保健室の鍵を、当たり前のように開錠し、私を扉の中に押し込んだ。
 そして、いつものように、という雰囲気を醸し出しながら、扉の内側から施錠して机に座った。

 つまるところ、4時限目も、サボっているというわけで。

 いいのかしら。
 最近、授業サボりすぎている気がする。

 向かい合わせに座っているたすくさんは、訪問記録をの一番新しいページに目をやった途端、訝しげに眉根を寄せた。

「どうかしたの?」

 これまた、いつのもように、といったぐあいにたすくさんが入れてくれたインスタントコーヒーを啜る。

「琴実の様子がおかしい」

「琴実さん……?」

 たすくさんは、琴実さんのことを『コットン』とは言わなかった。
 頬杖を付いていた手をこめかみの位置にずらして、目を閉じた。