彼女を10日でオトします

 っじゃなくて!!
 私、嫌って言ったわよね!? 聞こえてないのかしら、たすくさんは!

「と、取り合えず、み、耳掃除したほうがいいわよ!」

「……は?」

 すんでのところで、私は一命をとりとめた。

「き、今日、夕飯の後に、耳かき貸してあげる!
職人の手作りのやつなんだから!
もう、ごっそりよ!!」

「……っはは……なに……それっ……はは」

 たすくさんは、壁に片手を預けたまま、もう片方の腕でお腹を抱えて体をくの字に折った。

「……ち、ちょっと笑いすぎじゃない?」

「あー、耳掃除ときたかあ」

 腰を曲げたまま、下を向いていた顔を上げて、上目遣いに私の顔をのぞきこむ。

「膝枕」

「え?」

「膝枕で、キョンがやってくれるなら、許してあげる」

「許すって何よ」

「俺、怒ってるんだから。俺以外の男と楽しそうにお喋りしちゃってさ」

「そんなの私の勝手じゃない」

「じゃあ、ちゅーする」

「わわわかったから、そんなに顔近づけないでよ」

 たすくさんは、身を引いて「交渉成立、ね」と満面の笑みで破顔した。